2002年5月2日(木曜日)

胸に違和感が残っている。それでも昨夜も俺はぐっすり眠れてしまったようだ。徐々にこの環境に慣れ始めている。この生活が日常と化している。そんな俺の以前の日常はいつになったら戻ってくるんだろう。

今朝から病棟の一部の電気が消えている。部屋の電気は付いているけども、廊下の電気は消えているようだ。人間というのはこういう予期せぬ出来事が好きなのだ。妙に楽しくなる。それほどに同じような毎日を過ごしてしまっているということなのだろうか。

朝からいつもの点滴。いつもは2本なのに今朝は1本しかない。看護婦にそれを訊ねると「確認します」とだけ返事が返ってきた。ほんとに大丈夫なんだろうか。1本になってしまった点滴。それでも実に3時間も費やして流れ続けた。ようやくトイレに行ける。唯一移動が許されているトイレに行ける。そしてトイレの窓だけが外界を見るチャンスを与えてくれる。今朝は風も強かったようだし、荒れているに違いない。そんな俺の期待も簡単に裏切られることになる。そこにはひどく晴れた空があった。俺は急に詰まらなくなりすぐに部屋に戻った。

今日もレントゲンを撮る。その枚数は記念写真を軽く上回りそうだ。俺はまた車椅子に乗せられて人形みたいにレントゲン室に運ばれた。途中、何度か看護婦に質問されていたようだけどまったく覚えていない。それでもそのときは俺は上手く返事をしていたのだろう。俺はそういう厭な人間だった。

レントゲンを撮ったあと、寄り道もすることなくいつもの狭いベッドへと戻された。それと同時に1本点滴が減ったことを教えてもらった。そして残った1本も明日で終わりらしい。いよいよやることがなくなるわけだ。

明日からゴールデンウィーク。特にやることが決まっていない黄金週間の始まりなのだ。

ストリートの黒幕

今日からあなたが居ない世界 今から僕は要らない世界

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