2002年5月20日(月曜日)

今日は病院へ戻る日。緊張でもしているのか妙に早く起きてしまう。することもするべきこともないので朝食を取る。だらだらしているのがなんとなく厭だったので病院にいた頃のようにテレビをつけてニュースを見る。けども、いつものように世間の辛い部分ばかりを伝えてくるので30分くらいで消してしまった。

病院へ戻る時間。これでレントゲンさえOKならこのまま退院となる。とはいえ根本的な解決にはまったくなっていないことも知っている。

病院へ戻ると俺が病院を出発したままの光景がそこにあった。何も変わっていない。まるでここだけ時間が止まってしまっていたかのようだ。早速レントゲンを撮る。あとは結果を待つだけ。部屋で主治医を待っているうちに眠ってしまった。夢の中ではなんでもできた。空を飛ぶ。ビルを壊す。光を放つ。俺は夢の中の出来事を思い出すのが好きだった。その日も夢を見ていたのだろう。目が覚めた時、すこぶる気分が良かった。内容は覚えていないのにだ。もしかしたら、今この瞬間も夢の中なのかもしれない。きっとそれは真実なのだろう。理由は特にない。もし目が覚めたら俺はどこの誰でどこに居るのだろう?そしてそれから何をするのだろう?深く考えれば考えるほど楽しいことこの上ない。

そうこうしているうちに主治医がやってきた。なんだか楽しそうな顔をしている。退院確定だそうだ。もちろん再発の可能性はある。なんて言っても今回で3回目、学生時代を合わせると5回目なのだから。俺はそのまま外に出た。ドラマのように看護師たちに見送られることもない。俺は夜に退院したら良かったと思った。そしたらきっと月が綺麗に見えていたはずだ。一度人生を終えた俺にはぴったりの風景になったはずだ。キョロキョロとあたりを見渡す。どこもかしこも明るくびっしりと陽が差している。こんな日は雨さえ降っていない。俺はそれがひどく詰まらないと感じてしまった。

ストリートの黒幕

今日からあなたが居ない世界 今から僕は要らない世界

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