唄うということ

「唄う」ということ。これは誤解を恐れずに言えば俺にとってはメッセージを伝える手段のひとつでしかない。だけどもステージに上がり続けているとその手段が目的へと変わってしまうことが多々ある。

「黒幕くんはステージに上がって何がやりたいの?」

簡単そうで難しい質問を投げかけられたことがある。Liveを始めた当初や京都に来た当初であれば小1時間は話し倒せる話題だったに違いない。それが日々の中で少しずつ薄れていき、いろんな物と混ざった挙句に唄うことが目的になってしまっていることに気づく。そこまで気づきそれを隠すように定番の回答を口にする。

『お客さんが楽しんでもらえるステージができればと思ってます』

質問者の顔が曇る。おそらく不正解なのだろう。というより一番引いてはいけないカードだったに違いない。

「それはお客さんの感想でしょ?結果でしょ?そうじゃなくて黒幕くん個人が何を伝えたいとか、ステージに上がる理由はなんなの?」

おそらくここまで分かっていて俺は知らないふりをしていたに違いない。本当のことを言って否定されたら立ち直れないとかそういう想いが、いつしか自分の周りに壁を作っていた。これでは何をやっても駄目に決まっている。

「行き過ぎた愛」

おそらくストリートの黒幕の中心テーマだ。もちろんそれに沿ってない曲もあるけども、概ねこのテーマで歌詞を描いている。というか勝手にそうなっている。テーマがあとから付いてきたといっても過言ではない。愛といっても友情とかそういうジャンルも入っている。ざっくりいうと「手に入らないのであれば死んでください、もしくは殺してください」系のテーマだ。当初は直球で描いていたので唄うと重過ぎて暗いというかなんともいえない雰囲気になってしまっていた。仕方がないので曲をポップにしたり、書き上げた歌詞をあとからオブラートに包みまくったりした。それだとあまりに伝わらないと思ったので言いたいことは直球で1行だけ描いてみたり色々やってみた。上手いことオブラートに包めた代表格が「雪の裏側」だったりする。

下手よりも上手いほうがいいに決まってる。だけども根っこの部分を忘れないで、変化してもいいから忘れないでやっていけたら、今よりも胸を張って唄うことができる。できるはず。できるかもしれない。


今夜も窓を開けっ放しにしてるとやたらと寒い。この季節に風邪を引いてしまうのは厭だなぁ。

ストリートの黒幕

今日からあなたが居ない世界 今から僕は要らない世界

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